「青空、暴風」


空は明るい。
風は強い。

夜の間に
台風は
雨だけを連れていなくなった。


風が強いだけで
弱気になった。


自分らしく生きていこう。

昨日は
そんな風に
強い人になれたと思ったのに。


風が強いだけで
弱気になった。


残された風が
窓を揺らす。

わかったわかった。

外は強い。
わたしは弱いね。








「114」


わたしは
わたしが生きていることを
誰かのせいにしてる
空や花や鳥をつくった
誰かのせいにしてる


ごめんなさい
わたしが存在してるのは
わたしのせいじゃないんだよ
どうしようもないんだよ


ごめんなさい
生まれちゃったんだ
生きてるんだ


たんぽぽの花が
きいろすぎて
笑っちゃうよ







「なだらかな道」


頑張ろう
って意気込むのはやめて
ああ
楽しいかも
大丈夫かも
って
今より
少し
にこにこできるようになって
その時に また
出会えたらいいなって
思う


作文の最後を
手紙の最後を
メールの最後を
何度私は
頑張ります
で終わらせてきたことだろう


頑張ります
これからも頑張ります
お互い頑張ろうね



頑張るってなんだろう


なんにも頑張ってない気もするけれど
いつだって
頑張ってきた気もするよ


今朝
眠いし寒いのに
ふとんから出られた

それだけで
自分に拍手したい気持ちになったよ


頑張ります
頑張ります
今日も生きます


なんにも頑張ってない気もするけれど
いつだって
頑張ってきた気もするよ


そんなの

あなたには
どうでもいいことだよね


実は
私にとっても
どうでもいいことなんだ


頑張ろうって意気込むのはやめて
ああ
楽しいかも
大丈夫かも
って
今より
少し
にこにこできるようになって
その時に また
出会えたらいいなって
思う








「オオルリアゲハ」


蝶々の指輪を買った

薬指にちょうどよかった

ささくれもあって
ところどころ皮がむけてる指

白っぽくて
半月もない爪

ただただ
色素の薄い
生命力のない手にとまった
くっきりと青い蝶々


蝶々の指輪を買った

まだ
少し
女の子だ








「仲間」


とてもとても
さみしいことだけれど

わたしは
こんなに生きたのに
仲間を
みつけられなかった


思い出すことを許したら
明日から
外に出ていけなくなりそうで
封印したままのことがあるよ

それもいいか

封印したままなら
何度でも
外に出ていけるんだものね
新しい顔をして


とてもとても
さみしいことだけれど
わたしは
こんなに生きたのに
仲間をみつけられなかった


お菓子ばかり食べてたから
力も出ないんだ


さっぱりとした
お茶が飲みたい

窓を開けて
風を入れよう

お茶も
風も
優しいかもしれない

お茶も
風も
仲間かもしれない









「ゆびきりげんまん」


「口ばっかり」
「嘘つき」って
責めるのはもうやめるよ。


あの時、
あの瞬間、
あの言葉を、
あの人たちが
こころから言ってくれてたのはわかる。


そんな
まごころ100%みたいな言葉を
いくつももらえたなんて、
それだけで、
私はとってもしあわせ者なんだ。


「助けるよ」
「困ったら言って」
「ひとりじゃないよ」


どれも
本当にまっすぐで、
ばかみたいにやさしい言葉だった。


「実際に助けられるかわからないから、
助けるって言えない」
なんて言われるより、
ずっとずっとよかった。


保証もなんにもない、
子供の夢みたいな言葉。
「大きくなったらウルトラマンになる!」
みたいな、ね。


少し昔。
あの人は
私のことを
たからものだと言ってくれた。


忘れてるかな。
うん、きっと忘れてる。


無責任な優しい言葉。 
幼い約束。


その節は、どうもありがとう。
とってもとっても
嬉しかったんだよ。